◆第64回関東大学バスケットボール選手権大会 試合情報
明治大バスケットボール部にとって2015年度最初の公式戦となる「第64回関東大学バスケットボール選手権大会」(以下、関東トーナメントと記載)が4月25日(土)に開幕。26日(日)、5月2日(土)~10日(日)と延べ11日間にかけて開催される。大会は15位決定戦まで行われ、明治大は5月4日14時20分に初戦を迎える。
~昨年度の大会振り返り
安藤誓哉にとって明治大最後となった大会
中東泰斗にとってチームを背負う覚悟をした大会~
昨年度の大会は、安藤誓哉(現カナダNBL・ハリファックスレインメイン)がリーグ戦、インカレを待たずして明治大の選手としてプレーした最後の大会となった。
安藤の海外挑戦は4年生を含めたごく一部の人間にしか知らされておらず。3年生以下にはベスト8決定戦で関学大に負けた後(vs関学大)、つまりもう『優勝』はなくなった後伝えられた。安藤自身、最後にチームへ経験を伝えたい、そして、優勝という結果を残していきたいという想いを胸にのぞんだが、現実は厳しくベスト8入りも逃してしまう。前年が、インカレ準優勝を果たした「2年間で作り上げたチーム」であったことも悪い影響を及ぼした。どうしても比べてしまい、余計なフラストレーションがチームにのしかかっていた。さらに春休みに安藤、中東泰斗(現NBL・三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋)が学生代表の合宿で練習に参加できない日があり、チームとして準備があまりできないままで大会を迎えたことも要因のひとつだった。
安藤の挑戦を知ったチームは、9位を目指して順位決定戦へ進むも、9〜12位決定戦で日本大に63-73で敗戦。最後の試合は、法政大と11位決定戦となり、最後は勝利を飾った。
目指した結果ではなかったけれど、悪いニュースばかりではない。
2013年9月8日の青学大戦で「前十字靭帯損傷」という怪我を負った皆川徹が大学バスケに復帰を果たしたのがこの大会だ。また、この後秋のリーグ戦で急成長を遂げることになる吉本健人(4年)にとっては「自分は春のトーナメントで全然試合に出れなかった。その時に初めて純粋に”チームのために出来ることをしたい、という気持ちが出てきた。」と奮起するきっかけとなった大会でもあった。
そして何よりも、それまでは「俺と誓哉でチームを引っ張っていく」という言葉をよく口にしていた中東。安藤がいなくなるチームに対し、トーナメント最終日のインタビューはこれからの不安を少しくらいは口にするかと思っていた。だが、彼は違った。
出てきた言葉は「リーグ戦に向かって自分を中心としてチームを作っていきたい」。すでに前を向いていた力強いものだった。その姿に、安藤がいなくっても自分がいる、明治大が弱くなったとは言わせない、という覚悟と決意のようなものを感じた。そして、その言葉に嘘はなく、そこからの中東はそれまで以上に声で出し、チームの中心となって攻守でメンバーを牽引。見事リーグ戦5位、インカレ6位に導いてくれた。今こうやって落ち着いて去年を振り返ることができるのも、中東を中心とした4年生たちが苦しい状況の中でもチームを作り上げ、そして後輩たちに明治大のバスケットボールを残したくれたからだろう。
(写真上:安藤誓哉(現カナダNBL・ハリファックスレインメイン))
(写真下:昨年度の関東トーナメントにて。安藤、中東、そして皆川。1年生の頃から明治大の将来を担ってきた彼らだが、皆川が怪我による離脱。この大会で1年半ぶりに同じコートに立った。そしてこれが3人一緒にのぞむ最後の大会となった)
~長谷川ヘッドコーチ新体制で挑む 初めての公式戦 ~
そして、受け取った後輩たちである彼らが今季最初の公式戦「関東トーナメント」を迎える。2月7日から始まった長谷川ヘッドコーチ新体制の元、練習や東京六大学、京王電鉄杯などの大会をこなしてきた。その中で課題や手応えを感じる場面もあったが、「結果」を得てそれを「自信」につなげられるのは、やはり「公式戦」の舞台だけだ。
ガード陣は黒崎海斗(4年)、會田圭佑(3年)、齋藤拓実(2年)、吉川治耀(2年)をどう組み合わせていくかにかかっているだろう。まだ完全にスタートの座を勝ち取っている者はいないだけに、彼ら以外のガード選手にもチャンスはあるはずだ。公式戦でしっかりと力を出せる者だけがチャンスを手にすることが出来る。万全の準備でもって、本大会ではポジション争いをしながら、成長し、そしてリーグ戦に向けて頼もしい存在になってくれることを期待したい。
その他のアウトサイド陣の筆頭は、吉本健人(4年)だ。吉本をどれだけ序盤戦で休ませられるかも勝敗の鍵を握るが、手堅いシックスマンである田中井紘章(3年)や小谷拓哉(3年)がその役割をこなしてくれるだろう。そして、インサイド陣。伊澤実孝(4年)、宮本滉希(2年)の頼もしいコンビが今年の明治大インサイドを担っていくことになる。そこに、リバウンドなどの貢献が期待される秋葉真司(4年)や、京王電鉄杯などでも出場機会を得ていた森山修斗(1年・瀬田工業)、今川友哲(1年・大阪桐蔭)ら新戦力の活躍もぜひ楽しみにしたいところ。
その戦いは、明治大が順当に勝ち上がっていけば、準々決勝で拓殖大に当たることが予想される。今の4年生たちがチームを率いた2013年の新人戦。難しいと思われたベスト8決定戦に見事勝利。そして迎えた準々決勝の相手が拓殖大であった。ほぼ点差がつかない接戦で終始試合は進み、残り1分で61-61の同点に。しかし、そこから勝利は掴めず順位決定戦へと回ることに。あの時の借りを返し、あの時の自分たちを超えるためにも、更なる舞台への挑戦権とそしてそこで得られる経験と自信を自ら勝ち取ってきてほしい。目指すはただ1つ、頂点へ。
(写真:2013年度新人戦のベンチ。試合経験のある者が圧倒的に少なかったため、ベスト8入りは危ぶまれたがチームがまとまりを見せ、団結力を発揮し、見事達成。あの時以上の結果を出すには、これからにかかっている)
◆大会名 第64回関東大学バスケットボール選手権大会
◆開催日程 2015年4月25日(土)、26日(日)、5月2日(土)~10日(日)
◆開催会場
国立代々木競技場第二体育館、明治大学和泉キャンパス、東洋大学総合スポーツセンター
立教大学新座キャンパス、帝京大学、千葉工業大学、工学院大学
帝京平成大学、東京外国語大学
◆入場料 (※確認中)
・5月2日(木)~5日(日):無料
・5月6日(月・祝)~12日(日):一般・大学:1000円、中学・高校:500円、小学生以下:無料
◆明治大バスケットボール部 試合情報
【初戦(ベスト16決定戦)】5月4日14:20~ vs(未定) @明治大和泉キャンパス
(※)その他の試合情報は⇒「第64回トーナメント組み合わせ表.pdf 」(公式HPより)
Written By K
Photo K&R