【2015関東トーナメント】3位決定戦(vs法政大)~前半リードするも敗戦 4位で大会を終える~

by admin on 月曜日, 6月 8th, 2015

「第64回関東大学バスケットボール選手権大会」
3位決定戦・vs法政大

◆試合結果
●明治大 53(19-14,14-16,11-20,9-20)70 法政大○

◆レポート

スタート
明治大…#2齋藤・#20秋葉・#55吉本・#22宮本・#50伊澤
法政大…#37山岸・#11中野・#14植村・#16沼田・#24加藤

【前半】

 3位の座を掛けた戦い。#2齋藤拓実(2年)が幸先良く3Pを決め、明治大が先制するも、すぐさま法政大・#11中野広大(3年)が3Pを決めて譲らない。20150510_saito2明治大の得点が伸び悩むところで、法政大・#24加藤寿一(4年)の3Pや#14植村哲也(2年)のドライブが決まり、残り5:36で6-10となると明治大はたまらずタイムアウト。立て直した明治大は#22宮本滉希(2年)がスティールからの速攻などDFから流れをつかみ同点に追いつく。#5會田圭佑(3年)・#32吉川治耀(2年)・#88黒崎海斗(4年)と3ガードで臨む明治大は、#50伊澤実孝(4年)がバスカン、さらにスティールからファールを誘って逆転に成功すると、残り1分をきって#22宮本・#5會田の得点でさらにつき離し、19-14とリードを広げて1Qを終えた。

 2Qに入っても明治大の勢いは止まらず。#88黒崎・#50伊澤ら4年生が確実に得点を重ねる間、法政大もエース#24加藤が速攻などで追いすがるが逆転までには至らない。明治大がリードのまま互いに入れ合う展開が動いたのは残り2分を切ってから。明治大のシュートがことごとくリングに嫌われると、法政大が連続得点で一気に同点まで追いつく。それでも、#55吉本健人(4年)が最後になんとか3Pを決め、33-30の3点差とし後半へ。

(写真:この試合、スタートを務めた#2齋藤。課題のターンオーバーは目立つものの、独特のリズムから繰り出すオフェンスで会場を何度も沸かせた)

【後半】
 開始2分、#24加藤・#14植村の3Pで法政大が逆転に成功すると、その後は明治大も意地をみせ、譲らない展開に。20150510_aita法政大のシュートが落ちている間になんとか流れを取り戻したい明治大であったが、シュートがなかなか入らず、逆に法政大に気持ちよくシュートを打たせてしまい、リードを広げられ3Qを終えた。4Qに入っても明治大は流れを変えることが出来ず、法政大に2ケタのリードを許してしまい、残り7:54で44-56となった所で、早々とタイムアウトを要求。すぐに#22宮本がシュートを決めて反撃といきたいところであったが、明治大の攻撃が単調になってしまいターンオーバーが目立つようになる。法政大は着々と得点を重ねていき、明治大はフリースローの得点のみに抑えられてしまい、差は広がるばかり。#2齋藤が意地の3Pを決めるが、反撃の狼煙をあげるには時すでに遅く。明治大らしいプレーを出せないまま、法政大に完敗。明治大はトーナメントを4位で終えた。

(写真:この試合は交代出場となった#5會田。彼らしさをまだ出し切れていないが、リーグ戦では確実に飛躍した姿を見せてくれるだろう)

 

~長谷川HCの一言で表された3位決定戦
今後に向けて
「まさにやり直す、というよりしっかりやっていく(長谷川HC)」~

「すべての面でうちの悪い面が出た。(長谷川HC)」

 開口一番にこの言葉が飛び出してきた。拓殖大に勝利し、見事準決勝へと進むも、筑波大に敗戦。その次の日の試合ということで、精神的にも気持ちの切り替えが難しかったのは確かだが、1Qをリードして終えた後、2Qでさらに引き離すチャンスの際にシュートを決めきれず。後半もそのままズルズルと引きずり、調子を取り戻した法政大にリードを許して、そのままの敗戦。大量リードを奪える場面でしっかりと引き離すことが出来ず、逆に拓殖大戦のように引き離されても食らいつく粘りを出すことができなかった。そういう意味では、この試合は長谷川HCの一言に表されているだろう。20150510_izawa2

そして、長谷川HCはこう続けた。「こういう一面もあるんだ、というのが非常に良くわかった大会。拓殖大に勝ったのもうちのチームだし、今日こういう試合になったのもうちのチームだし。まさにやり直す、というよりしっかりやっていく、ということ。」

 今後の課題は「出ている人たちだけではなく、チームが1つとなってやれるような精神的な部分がまず一つ、それとプレー面ではしっかりとディナイディフェンス、ヘルプ、そしてボールマンのディフェンス、まずはこれを徹底していかないといけない。それとオフェンス面では出ている5人と6番目から8番目という選手たちも含めて、自分達の動きをしっかりとできる、かつ、その時に打った確率をいかにあげていけるのか。無理したシュートを打っているわけではないから、確率をあげていく、というのは大きな課題だと認識している。(長谷川HC)」と語った。

(写真:ゲームキャプテンを務める#50伊澤。シュート確率をあげる課題は残るものの、リバウンド王に1本差と迫る活躍で4位進出の柱となる活躍を見せた)
 
 
~アウトサイト陣が成長の兆しを見せた今大会
インサイド陣の底上げが今後の課題に~   

 この試合の対決は、3位決定戦という意味以外にも別の形で注目を浴びた。それは前任の指揮官である塚本清彦HC、外山英明ACをコーチ陣に迎えた法政大との対決だったからだ。両校とも関東1部。嫌でもリーグ戦で対戦することになるが、こんなにも早く、そしてまさかこんな大舞台での対戦となるとは誰も予想していなかっただろう。お互いに複雑な想いもありながらの対戦となったが、試合後には塚本氏や外山氏と談笑する選手たちの姿が見られた。毎試合成長する姿を見せることが一番の恩返しとなるはずだ。ぜひともにこの大学バスケットボール界を盛り上げる存在として両者の今後の活躍を期待したい。

 関東トーナメントを4位で終えた明治大。17年ぶりの準決勝進出は確かに素晴らしい記録だが、この時期までに作り上げているチームなど『ほとんどない』上での結果だ。それでも、この時期に大舞台を経験できたことは間違いなくこれからにつながっていく。だが、それを活かすにも、リーグ戦を通しての成長がなければ意味がない。そのリーグ戦に向けて、明治大の課題は『チーム戦力の底上げ』だろう。まず各個人の更なるスキルアップは必須の上で、長期戦を勝ち抜くには少なくとも10人以上の戦力が必要だ。

 アウトサイド陣は豊富だが、インサイド陣の育成が急務となっている。これまでは#50伊澤実孝のみだったが、この大会を通して#22宮本滉希が確かな自覚と成長を遂げ、チームには欠かせない戦力となった。20150510_miyamoto2
 「昨日、筑波大戦に負けたのがみんなメンタル面で大きくて。負けた後だったのでみんなそんなに気持ちはのっていなかったと思います。入りは良かったですが、法政のペースでずっとやってしまいました。コートに入っても相手と同じペースでダラダラと往復して点数を取られていく、というのを今日試合をやっていて自分は思ったので、もっと自分たち明治らしいきびきびしたバスケットボールを展開出来たら、もうちょっと競った試合が出来たかもしれないし、余裕で勝てたかもしれないです。(#22宮本)」と試合を振り返る。

 そして、試合を勝ち進むにつれて、#50伊澤、#22宮本の2人がコートに立ち続ける時間が多くなっていったことについては「今日も伊澤さんと俺がほぼフルで出ていました。法政は加藤さんも沼田さんも交替メンバーがいて、その中で自分たちはずっとやらなければいけないので、体力的にも疲れてくる。それが相手の作戦だったかもしれませんが、ずっと走ってきてぶつかってきて。体力を削られてばっかりだったので。そういう面がきつかったですね、層の薄さが。(#22宮本)」とコメントを残してくれたが、その苦しいチーム事情でも最後まで出来る限りのプレーを見せてくれた。

 リーグ戦は長期戦、そしてインカレでは短期決戦。どちらも今の布陣では、明治大らしいパフォーマンスを最後まで出すには厳しいと言わざる負えない。盛満、森山、今川ら下級生インサイド陣がリーグ戦でどれだけ試合をつなげるのかも重要になってくる。そのためにも、新人戦を通しての成長をぜひ期待したい。

 このトーナメントを終え、再びリーグ戦のエントリーを掛けたチーム内の戦いが始まる。誰がそのチャンスを掴むのか、そしてインカレのコートに立っていることが出来るのか。そのスタートはすでに切られている。

(写真:少し疲れのせいか試合中に気を抜くシーンは見られたが、この大会を通して、昨年度よりも一回りも二回りも存在感を増した#22宮本。リーグに向けて「コミュニケーションとか、ディフェンス面ではチームとしてもっと全体的に強くならないといけないし、個人的には(チームが)苦しい時に自分が点取れるように暴れていきたいです。」

Written by K&R
試合速報 R
Photo K

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