【2015リーグ】3戦目vs慶應義塾大~「99-101」という延長戦にまで及んだハイスコアゲーム そこから見える今の喫緊の課題とは~PhotoGalley~

by admin on 日曜日, 9月 13th, 2015

「第91回関東大学バスケットボール リーグ戦」
3戦目vs慶應義塾大

◆試合結果
●明治大(1勝2敗)99(26-22.23-12.25-29.18-29.7-9)101 慶應義塾大(1勝2敗)○

◆レポート

明治大…#5會田、#2齋藤、#22宮本、#55吉本、#50伊澤
慶應大…#4福元、#5大元、#13西戸、#7黒木、#22サワ

◆前半
2試合目同様に、試合の出だしは相手が先行する形に。明治大の得点が入らない中、#5大元の3Pや速攻アシスト、#22サワのポストプレーなどで5-11と慶応大がリードするとさらに#5大元に連続得点を許し、5-15と2桁差へ。徐々に落ち着きを取り戻した明治大は#2齋藤拓実(2年)の3P、#22宮本滉希(2年)のジャンプショットでじわじと点差を詰めると、#55吉本健人の2連続3Pで16-15と逆転へ。20150912_miyamoto4
そのままの流れを維持し、26-22で2Qへ入ると開始早々、#50伊澤実孝(4年)がシュートをねじ込み、バスケットカウント。そこに交代で入った#28今川友哲(1年)がフリースローやアシストを決め、チームを盛り上げる。攻めあぐね24秒と取られるが、その流れを切るかのように#55吉本(4年)が3Pやドライブを決めると前半はオフェンスリバウンドなどでチームに貢献していた#22宮本のセカンドショットや#2齋藤と#28今川の合わせも決まり、49-34と差を広げて、後半へ。

◆後半
3Qは相手にシュートを許しながらも、#50伊澤と#55吉本の頼もしい4年生2人がシュートを決め慶應大の流れを切りながら、なんとか10点差をキープする。だが、残り5分くらいから激しさを増した慶應大ディフェンスが徐々に明治大を苦しめることに。3Qこそ74-63で終えるものの、4Q残り5分から明治大のミスが続く間に#13西戸の3P、#22サワのポストプレーで85-81の4点差にまで追い上げられる。だが、この苦しい所で経験の差を見せたのが#50伊澤だ。20150912_izawa4
シュートを決め続け、慶應大とのシーソーゲームに対抗。残り49.8秒で#50伊澤がバンクショットを決めると、92-90と2点リード。慶應大タイムアウトの後、守り切りたかったが、#4福元にドライブを決められ、92-92の同点へ。最後、明治大はシュートを落とした後、セカンドショットを決めるチャンスがあったが、リングに嫌われ、決めることが出来ず。試合は延長戦へともつれ込んだ。

◆延長
先手を取ったのは慶應大。#福元、#5大元の連続得点で92-96とリードされるが、ここで#55吉本が3Pを決め、チームを支える。そして、#5大元がフリースローで1本決めると95-97。ここから、再び#50伊澤が奮闘し、連続得点で99-97。このまま逃げ切りたかったが、今度は慶應大・#7黒木に決められ、28.8秒で99-99と試合は振り出しに。その終わりは悔しいものだった。明治大のシュートが決まらず、最後慶應大の落としたシュートをねじ込まれたが、どう見てもブザーが鳴った後に打ったシュートだ。しかし、それはカウントと見なされ、試合終了。99-101の悔しい敗戦となった。

(写真上:前半戦、オフェンスリバウンドやそこからのセカンドショットで試合をつないだ#22宮本滉希(2年)。今季に入ってからの成長が今の明治大を支えていることは間違いない)
(写真下:本当の勝負所である4Q、延長戦での連続シュートを決め続けた#50伊澤実孝(4年)。みんなでの勝利を何よりも願う伊澤を中心にした戦いはまだまだ続く)

 
 
~99-101というハイスコアな展開となった戦い 勝ち切れなかった要因とは~
明治大と言えば、ディフェンスで粘りに粘って相手を苦しめ、ロースコアに抑えることで勝利を手にしてきた「ディフェンス」のチームであった。

それが、今日の試合は99-101。

コーチ陣が変わったとしても、高木HCは今年のスタイルにディフェンスとリバウンドをあげていただけに、これだけのハイスコアな展開は、慶應大のペースで試合をしてしまったということになる。高木HCは、今回の敗因で「出だし」「チーム層の薄さ」「ディフェンスの甘さ」を上げた。「出だし」についてはすぐに立て直し同点に追いついたことを考えると、後の2つが大きいだろう。
 
 
~目の前に立ちはだかる喫緊の課題「チーム戦力」の底上げ~
1つ目の「チーム層の薄さ」だが、「4Qで追いつかれるのは、メンバー層の薄さが一番大きい。でも、次のメンバーを出そうにも出すことが出来ない、というのがうちのチームの弱さ。だから、追いつかれてた時に逆転されてしまう。」と語った。確かに、固定したメンバーが出続けていることで、本当の勝負所である4Qに余力を残すことが出来なかったのは、今日の試合では誰が見てもわかること。20150912_yoshimoto3

前回の拓殖大戦でも感じたことだが、やはりチーム戦力の底上げは高木HC率いるスタッフ陣に託された課題。就任からまだ1か月弱しかたっていないため、選手を把握しきれていないのもあるだろうが、底上げの土台作りをまずは期待したいところ。

筑波大、東海大という上位校と対戦する貴重な機会がもうすぐやってくるのだからそこに向けて、しっかりと勝利を掴みながらもベンチメンバーを多く起用し、リーグ後半戦で更なる成長に向けた土台を作ることができるのかどうか。経験がない、と判断している部分を埋めるためにどう選手たちを起用していくのか。今後の起用方法も含めて見届け、後半戦に入る前には検証したいと思う。

(写真:この試合、3Pを6/6という確率で決め、チームの窮地を救い続けた#55吉本健人(4年)。苦しい想いをし、やっとのことで昨年度のリーグ戦からスタートの座を掴んだ。その場に立つことがどれだけ大変なことなのか、どれだけのプレーと気持ちがなければだめなのか。下級生たちは、その姿勢をしっかりと見ていてほしい)
 
 
~ディフェンスを試合中維持するために求められるのはベンチワーク~
「ディフェンスの甘さ」については、「タイムアウトの時に言うのが3歩前だったり、1歩前。もっとプレッシャーを掛ける。(間隔を)開けるとその分ノーマークになってしまう。抜かれる要因としてはいろいろ言うがディフェンスが出来ていないのでだから簡単にシュートを打たれてしまう。第3ピリオドや第4ピリオドでノーマークが出来てしまって、ノーマークが出来るということは、ディフェンスが付けていない、脚力がないということ。それが要因と考えています。(高木HC)」と語ったが、固定メンバーで走り切った選手たちを責めることは難しい。

夏の練習で脚力がつけられなかったと判断するのであれば、もう少しベンチワークで交代を多めにするなどの違った起用方法をすることで補うことも出来るはずだ。20150912_all2また、慶應大に合わせてしまった流れを明治大ペースに戻すためのガードの起用や、つなぎ役やスペースを作れる2番、3番の選手を入れてもまた結果は違っただろう。ディフェンスでも緩急をつける選手起用はまだ見られていない。少し思い切った選手起用が少なく、また中々交代起用がうまくいっていないように見られるだけに、たくさん選手を送り出しその日調子の良い選手を見つける方法や、選手の適材適所を見極めそれに応じてコートに送り出すなどのベンチワークも今後のカギとなるだろう。

延長戦の苦しい時間帯。
「もう理論ではないんですよ。下を見るな、リングを見ろ、上を見ろ、強気、しか言っていないです。体力的にもヘトヘトになっている時にいっぱいっぱいになっているから、おそらく何か言っても頭に入らない。そうなると身体も動いていないんだから、そこで具体的な指示ではなく、本人たちの気持ちを上げるようなことを言いました。(高木HC)」

確かに、モチベーション、気持ちの問題は大きく左右される時間帯だが、この勝負所で勝敗に大きく左右してくるのがやはりベンチワークなのだ。具体的な指示があることで、それをこなしながら、臨機応変に選手たちがプレーすることで最後は勝負を掴める。それが大学バスケだ。それだけに今回の試合を勝てなかったのは、ただただ悔しいとしか言わざるおえない。それでも、試合はやってくる。選手たち同士は負けた試合の後が大事だ、と確認しあったという。勝利という経験を自分達でただただ掴み取ってきてほしいと願う。

(写真:個性豊かなメンバーが揃う明治大ベンチ。どう活かしていくは、ベンチワークとコートに出た選手自身にかかっている)
 
 

◆コメント
◆#2齋藤拓実(2年・171cm・PG)20150912_saito2
(今日の試合について)負けてしまったことは本当にでかいなと思います。このリーグ戦、今週と来週の試合で少しでも勝ち星を多く取って、出来れば4連勝したかったんですが。今日の試合も勝ちゲームだったと思います。前半もいい形で終われましたし。でも、後半はメンバーが固定されてしまって、途中で体力が削られていって相手のプレッシャーもどんどんきつくなって。それに焦ったというよりは対応できなかったというのがあって。

俺と治耀(#32吉川)で出ていましたが、ツーガードが出ていたのに、そこをしっかりとコントロール出来なかった。ガードがしっかり出来ていたら、もっと出来たのかなというのはありました。交代で會田さんとかが出ていたら、もっと違った話にもなっただろうし。メンバーの出し方は選手からはどうしようもないことなので、出ているメンバーでしっかりとコミュニケーションを取ってやるしかなかったです。

(明日の試合に向けて)こういう形で負けた後の試合、しかも土日連戦で土曜日にこういう形で負けたのは本当に痛いです。しっかりと切り替えるのが大事、というのは選手で話し合ってみんなわかっていると思うので、トーナメントの準決勝で筑波大で負けた後に法政大に負けたように、明日また同じ事を繰り返さないように、ガードとしてもチームをしっかりとまとめられるように頑張りたいです。
 
 

20150912_yoshimoto3#55吉本健人(4年)
 
 

20150912_yoshikawa4#32吉川治耀(2年)
 
 
20150912_yoshikawa3#32吉川治耀(2年)
 
 
20150912_saito#2齋藤拓実(2年)
 
 
20150912_miyamoto3#22宮本滉希(2年)
 
 
20150912_miyamoto2#22宮本滉希(2年)
 
 
20150912_kotani#26小谷拓哉(3年)
 
 
20150912_imagawa2#28今川友哲(1年)
 
 
20150912_imagawa#28今川友哲(1年)
 
 
20150912_izawa#50伊澤実孝(4年)
 
 
20150912_izawa3#50伊澤実孝(4年)
 
 

 
 

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Written by 細田季里 
試合速報 細田季里
Photo 細田季里

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