【2015関東トーナメント】準々決勝(vs拓殖大)~「まずはディフェンスから」という想いを胸に明治大らしいバスケを展開 17年ぶりの準決勝へ~

by admin on 金曜日, 5月 8th, 2015

2015年度最初の公式戦となる「第64回関東大学バスケットボール選手権大会」(以下、関東トーナメント)の準々決勝・vs拓殖大を迎えた。

◆試合結果
○明治大77(18-18,16-19,17-15,26-24)76拓殖大●

◆レポート

スタート
明治大…齋藤・曾田・秋葉・吉本・伊澤
拓殖大…岡本・バンバ・岩田・成田・赤石

【前半】
ベスト4の座を掛けた戦い。スタートに#5會田圭佑(3年)、#2齋藤拓実(2年)のツーガードを起用。この采配があたり、立ち上がりから落ち着いたディフェンスを見せる明治大。それがオフェンスのいい流れにつながり、格上と思われた拓殖大と互角の戦いを展開する。20150507_all8
1Q残り4分18秒、8-9となった所で、#88黒崎海斗(4年)、#22宮本滉希(2年)、#32吉川治耀(2年)をコートへ。すると、#32吉川が3P、#22宮本がセカンドショットを決め、続いて#88黒埼も3Pを沈めるなど、交替メンバーがチームを盛り上げる活躍を見せる。

拓殖大も負けてはいない。#13阿部諒の連続ジャンプシュート、#99赤石遼介の3Pなどで16-16の同点に。最後、明治大・#50伊澤実孝(4年)がゴール下から得点を決めるも、拓殖大・#23ジョフ・チェイカ・アハマド バンバにブザビシュートを決められ、18-18の同点で2Qへ。

 その後、開始5分は両者譲らず。明治大は#88黒崎、#50伊澤の合わせが決まると、専修戦までは当たりが来なかった#55吉本健人(4年)が3Pを確実に決め、本領発揮。さらに、#22宮本がセカンドショットをねじ込むプレーも見せる。だが、ここで自らのミスにより、拓殖大に一気に得点を許すとたまらず明治大タイムアウト。だが、拓殖大・#39成田正弘に3Pなど決められ、26-35と9点差と付けられてしまう。ここで#2齊藤が積極的な攻撃から連続得点を決め、#22宮本の速攻もきまると32-35。今度は拓殖大がタイムアウト。残りは1分11秒。明治大は#2齋藤から#50伊澤の合わせが決まるが再び拓殖大・#23バンバにセカンドショットを決められ、前半終了。34-37で後半へ。

(写真:試合開始直後から集中したディフェンスを見せた明治大)

【後半】
 拓殖大・#39成田の連続ドライブなど開始1分半で34-43の9点ビハインド。だが、この我慢の時間帯を#55吉本、#2齋藤の3P、#50伊澤のジャンプシュートなどで切り抜けると44-47と再び食らいつく明治大。すかさず拓殖大・#39成田がジャンプシュートを決め、明治大の流れを切ると思いきや、#55吉本がテイクチャージでチームを盛り上げる。そして、拓殖大のチームファールがたまると#88黒崎、#55吉本、#32吉川が獲得したフリースローを確実に決めるなどして、51-52の1点差。勝負は最後の10分間と託された。

 先手は拓殖大・#13阿部のジャンプシュート。しかし、#32吉川の3Pで56-56の同点に追いつくと、#22宮本が勝負強さを見せ、58-56となる逆転のジャンプシュート。拓殖大もすぐさま#99赤石が決め返すが、#50伊澤の速攻、#32吉川の3P、#22宮本のセカンドショットで67-60の7点リードを奪う。だが、拓殖大・#39成田の3P、#99赤石のジャンプシュート、#23バンバの3Pで残り3分、69-70と再び拓殖大にリードを奪われてしまう。どちらに転ぶかわからない展開。この勝負所で#2齋藤がフリースローを確実に決め、71-72とすると#50伊澤、#32吉川が連続3Pで77-72!!ベンチ、応援席ともに立ち上がり喜ぶ明治大。しかし、拓殖大・#39成田が止まらない。再び3Pを沈めると残り53秒、77-75の2点差へ。最後、拓殖大・#39岩田がフリースローを獲得するも、2本目が落ち明治大・#20秋葉がしっかりとボールを死守。残りは1秒。見事守りきり、77-76。明治大は17年ぶりに関東トーナメント準決勝の舞台へと進んだ。

 
 

~ディフェンスで耐え抜いた貴重な1勝
関東トーナメント17年ぶりの準決勝へ

 ベスト8決定戦と同じく”1点差”での勝利。でも、その重みは全く違う。

関東トーナメント17年ぶりのベスト4進出という記録も素晴らしいものだが、それ以上に重要なのはやっと明治大らしいバスケットボールが出来たことだ。
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 この大会で成長著しい#5曾田圭佑(3年)、#2齋藤拓実(2年)をこの日初めてスタートに同時起用。この采配は当たり、「まずはディフェンスから」の意識を持って緊張感のある守備を試合開始から展開。それがオフェンスにもいい影響を及ぼし、当たりが来なかったシューター#55吉本健人(4年)の3Pが早々に決まる。ここまで、タイミング良く打たせてもらえる場面が少なかったが、オフェンスが機能したことで#55吉本を打たせる状況をメンバー5人で作り出せたからだろう。

 そして、2Q、3Qともに9点ビハインドの苦しい時間帯もあったが、「(春から)中々自分たちの思うようなバスケが出来ない中で、(ベスト8決定戦の)専修大戦で形が見えて。今日は、1試合を通して我慢する時間帯も乗り越えて勝つことが出来ました。(#50伊澤実孝(4年))」という言葉の通り、ディフェンスで耐え抜いた。そして、オフェンスでは1本1本と点差を詰めていった。そして、コート、ベンチ、応援席一丸となり、最後まで諦めず、粘りを見せた”1点差での勝利”。まさにこれが明治大のバスケットボールだ。

(写真:試合開始直後から最後まで明治大らしい粘りのあるディフェンスを展開した)
 
 
~「ディフェンスから激しくいこう」とのぞんだことで
最後は勝利を呼びこむ3P

 この試合、決勝点となる3Pを決めたのは#32吉川治耀(2年)。
「(今日の試合は)オフェンスからではなく、『ディフェンスから激しくいこう』とのぞみました。途中で消極的になってパスミスとかしてしまって。自分の課題のレイアップをまた外して、悪い流れにしてしまった(※2Q途中、#32吉川の外れたレイアップから拓殖大の速攻につながり、リードを広げられてしまった)。またやってしまったと思って。そうしたら、後半またチャンスもらえました。『ディフェンスから』というのを意識して、前半の部分を取り返さなきゃと思って必死にやって。フリースローをもらってそれをしっかり決められました。最後はいい流れで3Pを決められたので、その部分は良かったと思います(#32吉川)」
20150507_yoshikawa 今春からは2番起用が多く、チームが機能していない中での積極的な攻撃は、ワンマンプレーのように見えてしまうことが多かった。だが、シューターよりの選手が増えてきた中、#32吉川のようなゴールに向かっていける個人技は、勝負所で流れを呼び込むのに必要なタフプレーだ。それは、今後明治大にとって大きな武器となる。でも、決められなければピンチにもつながるのだ。もちろん、その課題もしっかりと認識している。「でも、レイアップを1本も決めていません。そこはチームの信頼を得るためにも、試合でしっかりと決めていきたいです。(#32吉川)」ディフェンスにはまだまだ課題が残るものの、この試合のような流れを読んだ攻撃を展開し、相手にとって警戒すべき相手になってくれることを期待したい。

 そして、やはり拓殖大戦は#23バンバ選手を抑えられるかどうかが大きな鍵となる。そのマッチアップを任されたのは「いろいろな事をやってくるのでバンバとのマッチアップはいつも楽しみにしている」と語った#50伊澤だ。インサイド陣が少ない中、#22宮本滉希(2年)、#20秋葉真司(4年)らとプレータイムを分け合っているが、あとの2試合もほぼコートに立ち続けることになるだろう。

「(今日の試合について)正直、こういう接戦になるか、一方的に離されるか、のどっちかだと考えていました。(課題の出だしについて、ここ2試合は落ち着いた入りをしていることについて)試合を連続してやっていく中で、ガード陣が雰囲気とかにも慣れてきて、しっかりとやってくれました。あとは最初からディフェンスを厳しくやれたかな、というのが初戦とは違うと思っています。(#50伊澤)」とここまでの戦いを振り返る。

(写真:この試合17得点をマークした#32吉川治耀)

 
 
~「まだ上を目指せる」
あと2試合でどれだけの経験を勝ち取れるのか
全てはインカレのために~

ベスト4にもしっかりと勝ち残ることが出来たので、自分たちの力があるのはみんな確信したとは思います。ですが、それを過信しすぎずにもっと謙虚に。まだ上があるので。明日の練習で、もう一度しっかりと気を引き締めてやっていきたいと思います。(あと2試合、この大会の中で改善したい、修正しておきたい点などは)途中の流れが悪くなった時に、パスとか使って流れのあるオフェンスにしたりだとか、リバウンドの意識が薄れる時間帯があるのでそこは1試合通してやっていけば、まだ上を目指せると思っています。(#50伊澤)」20130613_game3

そうなのだ。まだ上を目指せるのだ。大学バスケにおいて、ここから上位の戦いをコートで経験しているのは、#50伊澤しかいない。インカレで優勝するには、ここからの戦いでどういった経験を持ち帰るかが重要になってくる。その経験できるチャンスを自分たちで勝ち取ったのだから、今自分たちが出来るバスケットボールを思う存分、展開してきてほしい。ここから、ミスなど許されない戦いとなる。そう思ってぜひ戦いに望んでほしい。あと2試合をどう取り組むのかが、インカレの準決勝、または決勝戦でのプレーにつながっていくだから
 トーナメントは1試合1試合成長していくチームが勝ち上がる。「自分が出たい」という想いよりも、「チームのために貢献できることは何か」をそれぞれが考え、そして今一度「まずはディフェンスから」という想いを胸に、自分たちで勝利を掴みとってきてほしい。目指すはただ一つ、頂点へ

(写真:2013年度新人戦より。この時は拓殖大に負け、準決勝へとは進めなかった。あの時の自分たちを超えた上級生たちと、あの時いなかった頼もしい下級生たちが1つとなって更なる上位を目指す)

 
 
 
 

*******PHOTO*******

20150507_kurosaki#88黒崎海斗(4年)
 
 

20150507_yoshikawa2#32吉川治耀(2年)

20150507_miyamoto#22宮本滉希(2年)
 
 
20150507_saito#2齋藤拓実(2年)
 
 

20150507_tanakai#9田中井紘章(3年)
 
 

20150507_yoshimoto2#55吉本健人(4年)
 
 
20150507_izawa#50伊澤実孝(4年)
 
 
20150507_aita#5曾田圭佑(3年)
 
 

20150507_allアップ中
 
 
20150507_all2試合開始!
 
 
20150507_all10何度も苦しい状況を抜けて・・・試合は4Q残り1:33、#50伊澤が3Pを決め74-72で逆転!喜ぶベンチ!
 
 
20150507_all11拓殖大タイムアウトにコート内のメンバーを出迎える
 
 
20150507_all12残りはまだ1分半弱。
 
 
20150507_all13だが、拓殖大の攻めを守りきり、今度は#32吉川が3Pを決めると再び立ち上がり喜ぶベンチ!
 
 

20150507_all5応援席のメンバーも立ち上がります!!

 
 
20150507_all14しかし、すぐさま拓殖大・#39成田に3Pを決められ、77-75の2点差へ。
 
 
20150507_all15その後、拓殖大・#29岩田のフリースローで1点返され、77-76。残り4.8秒で放った拓殖大・#39成田の3Pは外れ・・・
 
 
20150507_all16残り1.0秒で明治大ボール!!
 
 
20150507_all17その1秒を守りきり、試合終了!明治大は準決勝へ!

 
 

 
 

Written by K
試合速報 R
Photo K

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